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【映画】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ネタバレ感想

お題「最近見た映画」

こんにちは。

ワンスアポンアタイムインハリウッドを観てきました。
クエンティン・タランティーノ監督の第9回監督作品です。

 

www.onceinhollywood.jp

 

前作、ヘイトフル・エイトが個人的にはイマイチで、今作もネット上の感想が賛否両論あったのでハズレだったらどしようと怯えながら観ましたが、非常に楽しめました◎

ネット上の感想では、60年代のアメリカ文化やシャロンテート事件の予習が必須と書いている人もいましたが、シャロンテート事件さえ知っていれば大丈夫だと思います。逆を言えば、シャロンテート事件は押さえておきましょう。

さて、ここからネタバレ感想です。

 

 

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(以下、ネタバレ)

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悲劇ものを観た後、「あの時あいつをぶっ倒していれば・・」と、やるせない気分になることがありますよね。
ワンスアポンアタイムインハリウッドでは、めちゃくちゃ痛快に、そのifストーリーを実現してくれます。
ぶっちゃけストーリーといえそうなのはラスト15分なので、それまではずっと、よくわからない映像を2時間以上観させられることになります。(かなり不安になります。)
しかし、ラスト15分を観た後、初めて、それまでの2時間超が、ラスト15分のカタルシスを盛り上げるために重厚に何層も心理的伏線を張られまくっていたことに気づくのです。
古い時代に取り残されたかつてのハリウッドスターと、その相棒。かつてのスターはイタリアで主演をいくつかこなしますが、それは決して復活を意味しません。むしろ、ハリウッドでのスター街道との完全な決別、という意味合いの方が強いように見えます。そして、友人以上夫婦未満の相棒との決別も、非常に象徴的です。
一時代を終え、これでもかというくらい死亡フラグを立てまくり(というより、観客は皆、事件のことを予習してから観ているので、これから起こる悲劇を知っているのです。)リック(ディカプリオ)はプールでヘッドフォンをつけ(したがって、何か事件が起きても気づくことはできません)、屈強なスタントマンであるクリフ(ブラットピッド)はハッパで完全にブッとんでいます(今ならどんな雑魚にも負けてしまいそうです)。
ここからの痛快劇は、本当に面白い!
夏目漱石の『坊っちゃん』を彷彿させます。
これでもかというくらいヒッピーを壁に叩きつけ、観客全員がやってほしいと願ったことを、余すことなく画面上で実現してくれます。
瀕死の重症を負ったヒッピーがプールに乱入したシーンも非常に面白い!無差別にピストルを撃ちまくるヒッピーに、リック(ディカプリオ)は慌てて退散します・・・と思いきや、火炎放射器を持って登場。ヒッピーを燃やします。
観客が一斉に笑った瞬間でした。

夏目漱石の『坊っちゃん』にも言えることですが、非常に痛快な中にも、一抹の寂しさ(つまり、こんな大逆転劇は現実には決して起こらないんだ、という現実感)が、秋風のように終始画面上に薄く流れているのも、大変良いですね。
ノスタルジックで、本当にいいフィルムを観た、という気分になれます。

8月30日公開なので、そろそろ上映終了するかもしれません。
皆さんも是非、ご覧になってみてはいかがでしょうか。