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『火の粉』(原作)ネタバレ感想①

こんにちは。

最近、『火の粉』という小説をすごく夢中で読んでしまったので、その感想を・・・。 

火の粉

火の粉

 

 それでは、火の粉にっきスタートです。

私は知らなかったのですが、ネットで調べると2016年にユースケサンタマリアさん主演でドラマ化されているんですね。私は小説を読むと他の人の感想が気になるタイプなので、読後にネットで感想を検索してみたのですが、ドラマの感想が圧倒的に多く原作小説の感想にはなかなか辿り着けませんでした(ので結局こうして自分で書いてしまいました)。

 

 

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(以下、ネタバレです)

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さて、この小説は、読み始めたら本当に止まりません。
そして、読み終えると、必ず誰かと感想を言い合いたくなってしまいます。

ただ、これってよく考えたらちょっと不思議なんですよね。
というのも、この小説の舞台設定は非常に斬新なものの(そもそも裁判官という職業が一般人からするとあまり馴染みがありませんし、まして自分が無罪判決を言い渡した被疑者が隣人となるなんて、その設定だけで続きを読みたくなってしまいます)、ストーリー自体はまったくの一本道。
意外な犯人もトリックも出てきません。
いかにも怪しい人が、結局想像通り犯人でした、という展開です。
また、終盤、犯人を確信する決め手となる「自傷を他害に見せかけるトリック」も、別にそれ自体はあまり意外性のあるものではありません。

では、一体、何がここまで読者を夢中にさせるのでしょうか。

私が思うに、そこには2つの吸引力が働いていると思います。

まず1つに、ホラー的なサスペンス要素です。
怪しい、読者にとっては明らかな危険が、少しずつ平和な家庭を蝕んでいく恐怖。
しかも、登場人物の大半が、その危険に気付きません。気付かないどころか友好的に迎え入れ、むしろ危険性に気付いた主人公を迫害します。
この展開は、先を読み進めるための非常に大きな原動力になりますよね。主人公の雪見(何回か視点が切り替わりますが、主人公は雪見でいんですかね?)がかわいそうで可哀想で、小説の中に入っていって、主人公以外の登場人物たちに犯人を直接教えてあげたくなります。特に俊郎の鈍感さには心底腹が立ちます。
ある種のイライラと恐怖を利用した吸引力という点では、海外ホラー映画の『エスター』とよく似た物語構造と言えるかもしれません。

 

このまま続けたいのですが、長くなりそうなので、次の記事につづきます。