バチェラー感想と、ときどき雑記にっき

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【見えない目撃者】映画ネタバレ感想①~良かった編~

こんにちは。
映画 見えない目撃者を観てきました!
お題「最近見た映画」

www.mienaimokugekisha.jp


個人的には、観に行く価値はあったな、という感じでした。
なぜ素直に「面白かった!」とか「おすすめ!」とかではなく、「観に行く価値はあった」なんて微妙な書き方をしたかというと、それにはそれなりの理由がありまして・・・。

星でいうと、たぶん☆3.5くらい(満点:☆5つ)なんですけど、それが、「全体的にまあまあ面白かった」という感じの☆3.5ではなくて、「面白かったところは物凄く面白かったんだけど、つまらないところはびっくりするくらいクソ映画だった」という☆3.5なんですね。
なんだか、同じ監督さんがつくったとは思えないくらい、名作とクソ映画が同居してしまっていました。
個人的には、無難な映画にお金払って観に行くくらいなら、部分的ではあっても物凄く面白いところがある作品を観に行きたいと思うタイプなので楽しめたのですが、人によって賛否両論ありそうだなあ、と思っています。
☆1つ、という人がいても全く不思議ではありません。

さて、ここからネタバレです。


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以下、ネタバレ&超主観的感想
そして、役者の方々は敬称略で失礼しますm(_ _)m

 

さて、ここから盛大にネタバレしながら感想を書いていきます。

 
まず、物凄く良かったところから。

 

ものすごーく良かったところ 

1. 役者の演技

主演の吉岡里帆さんも含めて、役者さんの演技が全員素晴らしかったです!
はじめ、警察官二人(田口トモロヲ大倉孝二)が吉岡里帆の証言を聴いているときの、あの独特の嫌らしい感じとか、取り調べの時の高杉真宙の、すごく嫌な感じとか。(画面の中に行って、「人の命がかかってんだぞ!」って胸倉つかみたくなりました。笑)
また、國村隼さんの演技はやっぱりどこか狂気じみてていいですね。5.でも触れますが、この人の持つ独特の恐ろしさみたいな雰囲気がこの映画のサスペンス性を一味も二味も上質なものにしていることは間違いないと思います。
あと、主要な役者陣だけでなく脇役に至るまで、演技に違和感がある人がいなかったのもポイント高いですね。
例えば、レイサの前に捕らえられていた女子高生の恐怖と絶望のにじむ演技。
確実に迫る死へのやるせなさが声と目に表現されていて、非常に良かったですね。
演技の下手な人がたった一人いるせいで雰囲気が台無しになってしまう映画も多い中、全員がちゃんと映画の世界作りに貢献できているって、すごいことだと思います。
もしかしたら、原作映画があることも影響しているのでしょうか。
原作映画があることで、役者さんがそれを観てイメージをつくりやすかった、とか?

 

2. 吉岡里帆

もう、吉岡里帆
この映画の価値の大半を占めると言っても過言ではありません。
顔の造形美はさすがなんですが、それが、映画の中でちゃんと存在感を感じさせる美さになっているんですよね。
よくホラー映画などで、顔だけかわいいアイドルが主演をつとめ、顔はかわいいんだけど、そのせいでかえって映画全体が嘘くさく見えてしまう、という場面を見ることがあります。
(こんな風に感じるのは私だけですかね?詳しい人に聞いてみたいです。)
それが、吉岡里帆については全くそんなことがなく。
彼女の容姿のレベルに釣り合った演技がちゃんとできていたからでしょうか。
ただただ吉岡里帆が良い。
彼女が画面に映るだけで、画面が引き締まるというか、それだけで「観に来て良かった」と思わせるほどの良さでした。
盲目の演技も自然でしたし(たまに視線の先に焦点が合ってしまい、盲目っぽくなかったシーンもありましたが、それでも十分及第点だと思います)。
弟のお墓を前に踵を返すシーンも、一つ間違えるとお涙頂戴の安っぽいシーンになりかねないところですが、うまく緊張感を維持して演じ切りました。
高杉真宙に「車の中に本当に女性がいなかったか」問いただすところで、外にもかかわらずいきなり寝っ転がるところとか、警官の年齢・身長・昼食の内容を言い当てるところとか、「この女イッちゃってる」感もすごく良かったです。

 

3.映像技術

技術、と書いておきながら、技術的なことは全く分からないのですが、映像的に面白い、引き込まれる特殊効果が多かったように思います。例えば、冒頭の交通事故で、吉岡里帆の視界が徐々に奪われていくシーン。
吉岡里帆の演技力もあって、まるで自分の目が見えなくなったように感じるほど感情移入できました。
失明の経験が無いのにもかかわらず、視界にうごめく細かい虫の大群のようなイメージは「リアル」にみえました。
また、随所にちりばめられた、吉岡里帆ビュー」もすごく良かったですね。
(白い背景にボールペンで吉岡里帆視点が描かれていく、あれです。勝手に「吉岡里帆ビュー」と呼んでます。笑)
聴覚と記憶力と想像によって風景を再構築していくイメージが、映像でストレートに表現されていました。
映画であることをフルに利用した、まさに映画的な表現と言えると思います。
特に良かったが、売春斡旋者の家宅捜索時に、押し入れに潜む斡旋者を吉岡里帆が発見するシーン。
耳を澄まし人の気配を探るが、斡旋者も息をこらしているのかなかなか見つからない。
ただ、どこかに何かがある気配だけは感じられて、さらに集中し聴覚を研ぎ澄ますと、押し入れの中からかすかな腕時計の音が聞こえる―――。
この、緊迫感溢れる展開が、セリフ等全くなく映像だけで表現されているんですよね。
徐々に吉岡里帆の集中の先に腕時計が浮かび上がってくる様子が、吉岡里帆ビュー」でドラマチックに描かれていくのは圧巻でした。

 

4.全体的に、画面の「映画っぽさ」

これは、説明しにくいのですが、全体的に映像が非常に、ちゃんと映画っぽいんですよね。
映画として、画面が説得力を持っている、というか。
もしかしたら1.で書いた役者の演技のおかげかもしれないのですが、観ていて、「今映画を観ているんだ」という感覚をいちいちちゃんと感じさせてくれるんです。
中には、女子高生の遺体が並べられたりといったグロテスクなシーンもあるのですが、それが単にグロテスクなだけでなく、すごく映画的で、映画の世界に没入させてくれるような映像になっているという感じです。
映像が映画的でない映画だと、役者の演技が良くても、そこだけ浮いて見えてしまったり、どこか、まるで下手な合成のように見えてしまったり、映像から間延びした印象を受けたりしますが、「見えない目撃者」ではそんなことはありませんでした。

 

5.犯人が分かるシーンの鳥肌感

ここも、本当に素晴らしいシーンでした。
「お前、もう会ってるよ。調書が無いか調べてくれたやつだよ。」というセリフです。
あいつかああああ!!!!!ゾクゾクゾクゾクゥゥゥゥ!!!(そのシーンを観た私の心の叫び)
こう、心の中で叫ばせてくれる映画っていいですよね。
この映画では、ちゃんと叫ばせてくれました。
もちろんそのためには、犯人判明シーンだけでなく、それまでの色々なシーンが絶妙に積み重なり、絡まり合う必要があります。
(というより、それまでのシーンが絶妙に伏線として効いていれば、犯人判明シーン自体は割とどうでもよかったりします。)
この映画では、犯人を示す道筋が、非常に丁寧に、さりげなく、かといってしっかりとした違和感をもって描かれてきました。
たとえば、國村隼が語る犯人の残虐性。(この時点では犯人と確定はしていませんでしたが。)
被害者が殺害されるまさにその瞬間にカメラがズームされていた、という話は、國村隼の語り口の絶妙さもあって、底冷える恐ろしさを感じさせます。
また、警察内部の犯行であることが、吉岡里帆によって少しずつ少しずつ明らかにされていきます。
そして、すべての点を1つにつなげる一本の電話。
先程、國村隼が語った狂気的な目撃者が、警察官になっていたこと。
そして、その男は、田口トモロヲが調書を調べてもらったあの警官だったことが告げられます。
この一連のシーンは、本当に素晴らしかった。
ゾクゾクゾクゾクっとしました。(笑)

そういえば、田口トモロヲ浅香航大の食堂での絡みも、何気ない中でほんの少しだけ違和感を残す、絶妙なものでした。
食堂のシーンを観た時は、「調べもののお礼に唐揚げあげるって、なんだそれ、変なシーンだな・・」とちょっと思った程度で、違和感とも言えない違和感なんですが、後から振り返ると、あいつが犯人だったのか・・・!となる。
このバランスが絶妙なんですよね。
違和感が大きすぎるとわざとらしいし、小さすぎると印象に残らない。
少しだけ違和感があるんだけど、普通にスルーしてしまう、絶妙な伏線でした。

 

6.割と丁寧な伏線回収(銃撃とか)

伏線と言えば、この映画では全体的に、伏線に関しては割と丁寧に回収されていました。
思えば、オープニングは吉岡里帆の射撃訓練から始まりますが、これも単なるファッションで終わらず、最後に吉岡里帆の射撃で終わります。
また、吉岡里帆の弟のしていたアクセサリーが、犯人の正確な位置を教えてくれるという展開も、吉岡里帆のお母さんの「弟が守ってくれる」というセリフを回収しています。
他にも、お母さんが強引にカバンに入れた催涙スプレー高杉真宙が目標を持たない人生を割と投げてる高校生だったのが、最後には警察官になるという目標を持つところ、吉岡里帆が弟のお墓に参れなかったのが、やっと心の整理がついてお墓参りできるようになる、といったように、映画の中で散りばめられた伏線は、割と丁寧に回収されていきます。
映画を観た後、「あれ?そういえばあれってどうなったんだっけ?」とはならなかったですね。
こういう丁寧な伏線の回収はとても好感が持てます。

 

このように・・・
改めて書き出してみると、本当に、こんなにたくさん良いところがあるんです。
しかも、ただ「良い」んじゃなくて、「物凄く良い」ところですからね。
それがこんなにあるなんて、普通だったら名作確定だと思うんですが、この映画の場合は違うんです。

それと同じくらい、クソ映画なところがたくさんあるんです・・・。

長くなってしまったので、次回に続きます。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。

見えない目撃者は原作は韓国の映画ですが、日本版の映画のノベライズ本があるんですね。
映画館に行けない方は、小説もいいかもしれませんね! 

見えない目撃者 (小学館文庫)

見えない目撃者 (小学館文庫)

 

 

それでは、このへんで。