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【ジョーカー】映画ネタバレ感想

こんにちは。

『ジョーカー』かなり話題になっていますよね!
お題「最近見た映画」
観に行って来ましたので、『ジョーカー』のネタバレ感想を綴りたいと思います。

wwws.warnerbros.co.jp


バットマンに出てくる悪役、ジョーカーの過去を描いた作品
とのことです。

バットマンのことはほとんど知らない(原作のアメコミも読んだことがない)ものの、一応『バットマン ビギンズ』と『ダークナイト』は観賞済のため、ジョーカーについても簡単な知識はありました。(・・・が、バットマンやジョーカーに関する事前知識がまったくなくても楽しめる作品だと思います。)
あの残虐非道なジョーカーの過去を描く・・・しかも、映画の予告編によると、元々はコメディアンだったらしい。ということは、人生に絶望して悪に染まるまでを描く訳ですよね?

んんん??

それって意外と難しくないですか?
だって、2時間ずっと不幸のどん底を描き続けて、結局、
「何の救いもありません。※この後主人公は闇落ちして殺人鬼になります。完」
ってわけにいかないでしょ。
だとしたらめちゃくちゃヘビーで救いのない映画になってしまいますもんね。
はて、一体どうやってこの難題を解決するのか?
そんなことを考えながら、映画館に行ってまいりました。

 

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以下、ネタバレ&超主観的感想です。
うろ覚えの部分や見当違いなところもあるかもしれません(>_<)



結論 : 全く救いの無い、とてつもなくヘビーな映画でした。

いや、これに尽きます。


映画としてよく出来てるのは理解できるんです。
描写も丁寧でありながら説明的じゃないし。
映像も綺麗だし、音楽も◎。
ストーリーも骨太で、とても繊細な作りです。

なんですが・・・
観るのが辛すぎるっ・・・!!(つД`)

人間ここまで辛くなれるものか、と思わせるほど辛い出来事が、これでもかというくらいジョーカーを襲います。

ただ、この映画のすごいところは、単に不幸の嵐をジョーカーに浴びせ掛けてジョーカーを闇落ちさせるだけの映画になってないところですよね。
全く一本道じゃないんです。
上質なミステリーのような仕掛けが、いくつも仕掛けられています。
しかもそれらの仕掛けは、観ている私たちを深くジョーカーに感情移入させ、気付いたら闇落ちしたジョーカーに拍手喝采を送りたくなるような、危険な仕掛けなのです。


ジョーカーが想いを寄せる同じアパートのシングルマザー。

母親が警察の取り調べにより過呼吸心筋梗塞になったとき、最も近くで支えてくれたのがこの女性でした。
当然私たちはジョーカーが闇落ちすることを知っているので、きっとこの女性も裏切るか殺されるかするんだろうなー、とか思いながら観ているわけです。
そして、失意のどん底のジョーカーがこの女性の部屋に入り、いつものように椅子に座っていると・・・
「何、あなた、部屋を間違えているわ・・・」
と怯えきったその女性の声が・・・。
その瞬間、ジョーカーと観客は全てを悟ります。

現実じゃなかった・・だと・・・?
(この後の、「あの時もあの時も、実は女性はいなかったんだよ」的なシーンは、この映画で唯一蛇足に感じました。実際、そんなシーンなくても観客はみんな黒人女性との繋がりが全て現実でなかったことに気づいていますからね。そのくらい女性の怯えきった演技とその後のジョーカーの表情は秀逸でした。)


地下鉄で初めてジョーカーが殺人を犯すシーン

このシーンも秀逸でしたね。
というのもまず、ジョーカーによって殺される証券マン3人の立ち位置が本当に絶妙でして。
彼らは、確かにしてはいけないことをしました。
酔っ払って女性に絡み、さらにジョーカーを蹴りまくります。
しかし、殺されるほど悪いことをしたか、と聞かれると、決してそんなことはないんですよね。
しかし、私たち観客の胸には、証券マン3人に対し明確な殺意が芽生えています・・・。

なぜか。

それは、彼らの蹴りまくる様が、作品の冒頭でジョーカーを蹴りまくったあのシーン、ジョーカーの人生を狂わせる最初のきっかけを作ったあの不良少年達と、そっくりだったからです・・・。その時、貧困や社会に対する怒り、ひいては自分の人生そのものに対する乾いた笑いが、他人の人生に対する殺意に変換される危険な現象を、観客たちは自分の胸のうちに生じていることに気付きます。

確かに悪い。だが殺されるほどではない。

これは、この作品の被害者全員(ジョーカーの母親以外)に当てはまります。

だからこそ、観客は、自分の胸に生じる殺意に戸惑うのです。

恐ろしいですよね。普段だったら決して「殺してしまえ」なんて思わないシチュエーションなのに、殺意が湧いてくるんですから。

しかも、  だんだん殺人へのハードルが下がっていくのも恐ろしい。

 

ジョーカーに銃を渡した元同僚について

確かに銃を渡したのは軽率だったかもしれません。
そして、ジョーカーが持っていたのが小道具ではなく本物の銃だとバラしたことも、ジョーカーにとっては致命的なことでした。
しかし、そもそも銃を小児病棟に持っていったのはジョーカー本人ですし、あろうことか子供達の前で落としてしまったのもジョーカー本人ですからね。
しかもその後、警察から殺人事件の事情聴取までされたら、嘘の一つもつきたくなる気持ちは分かります。
悪いことはしているが、殺されるほどじゃない。

しかし、暴走したジョーカーにとっては殺す対象にすぎません。

 

憧れのコメディ番組の司会者

確かに、ジョーカーにとっては舞台に上げられた思い出は、
「お前が息子だったら全てを捨てる」というセリフは、
忘れがたい神聖なものでした。
それをあっさりと忘れ、しかも全国ネットで笑い者にされたことは、ジョーカーにとっては許しがたい裏切りだったと思います。
しかし、殺されるほどの悪人ではない。
というか、司会者についていえば、そもそも悪人といえるかも微妙です。
彼は単に、自分の職務に熱心だっただけです。
(・・・と思っていたのですが、ジョーカーが司会者に見初められて舞台にあがって「お前が息子だったら・・」のシーンはジョーカーの妄想だったようですね。他の考察サイトを見て納得・・。現実と妄想が入り交じるので、うーーーん難しい!)

この司会者を殺すことで、悪人ではない人物を殺すことで、彼は明確にジョーカーとなるのです。
(そういった意味で、彼が「ジョーカーと紹介してほしい」と言ったことは、非常に象徴的ですね。)

 

そして・・・

ジョーカーの護送中、燃えるゴッサムシティを見て、社会に対し痛烈に仕返しをしてやったような、危険な高揚感と達成感を私たちは感じます。
(ところで、路地裏でブルース・ウェインの両親が殺されるシーンは、バットマン ビギンズでもありましたね。同じシーンなのにお父さんの描かれ方が全く違って、面白かったです。)

そして最後・・・。

冒頭のシーンとそっくりな、ジョーカーが笑いを堪えられないシーンが流れます。
しかし、冒頭のシーンとそっくりであるものの、決して同じではないことを、私たち観客は知っています。
何故なら、ジョーカーはすでに、引き金をいつでも弾ける男に変貌してしまっているからです。

ジョーカーの話を心から理解しようとしなかった、カウンセリングを打ち切ったあの女性(打ち切ったのは女性の意思ではないですが)と、ラストシーンでジョーカーに質問する女性の姿が重なります。
そして、それにより、女性の運命が暗示されます。
実際に、部屋から出るジョーカーの足跡は、真っ赤に染まっているのでした・・・。


バットマンとジョーカー??

ところで、ジョーカーが若い頃のお母さんの写真を眺めるシーンも非常に良かったですね。
あのワンシーンだけで、お母さんの話が真実であったこと、ジョーカーがとんでもない過ち(罪のない本当のお母さんを殺害してしまった)を犯してしまったこと、そして、そのことに対してジョーカーの胸中に何の感情も生じないこと・・・
それらが、克明に私たちに示されたように感じましたね。

・・・ん?お母さんの話が真実??

ということは・・・!
バットマンとジョーカーは異母兄弟!!??

気になって、早速ネットで調べてみました。
結果、バットマンとジョーカーが兄弟というのは、バットマン公式の設定ではないようですね。
『ジョーカー』独自の、『バットマン』という作品に対する新解釈ということのようです。
しかし、あんな華奢なブルース君があんなムキムキになるなんて・・・!

以上、休日に観るにはヘビー過ぎますが、見応えのある作品でした。
ジョーカーのこんな過去知ったら、バットマンさんサイドはやりにくくなるのでは・・・!?なーんて思ったり思わなかったり。

ラストシーンなんて、見た人の数だけ考察がありそうですね。
ジョーカーの狂気の原点がわかったように感じました。

 

バットマン ビギンズ』も『ダークナイト』もAmazonプライムビデオにあるんですね!
久々に観てみるのもいいですね! 

バットマン ビギンズ (字幕版)

ダークナイト (吹替版)


長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。

それでは、このへんで。